さあ、いよいよ2003年のスタートです。皆様、年末はどのようにお過ごしでしたか? 僕は12月に入るといつもそうなのですが、大晦日の紅白歌合戦が気になりだします。 理由はいろいろありますが・・・パラオで暮らしている僕にとって・・・

@日本で今どういった歌が流行っているのかを知ることのできる唯一の番組であると いうこと
A小林幸子さんの衣装を確認
B他におもしろそうな番組がない

去年は平井堅さんの「大きな古時計」と沖縄出身の方(名前忘れちゃいました)の 「涙そうそう」が自分の中では激アツでした。
さて本題の方に入ります。ABC分析を行ってみましょう。 僕はほぼ毎年、NHKの紅白歌合戦を見ます。つまり「紅白を見る」という行動は強化 されています。

大晦日の夜に テレビのスイッチを入れると サブちゃんの笑顔

「サブちゃんの笑顔」はこの番組が間違いなく紅白歌合戦であるということを教えて くれます。

行動を強化する(増やす)「何か良いこと」を好子といいます。好子はビールのよう に飲み物や食べ物かもしれないし、ジョークを言った時に友達が笑うといったような 他人からのリアクションかもしれません。はたまた望遠鏡で夜空を見る行動は星が見 えるという好子によって強化されている。つまり、好子とは、行動の直後に現れる と、その行動を強化するモノやコトすべて。簡単に言えば誰もが喜びそうなモノやコ トのす べてということになります。

この場合、「サブちゃんの笑顔」は僕にとって好子です。 僕が大晦日の夜に「テレビのスイッチを入れる」という行動を強化する好子になって います。 さてこういう場合はどうでしょう?

紅白を見ている時に トイレに行くと 小林幸子を見逃した!

僕は今後、紅白を見ている間はあまりトイレに行かなくなるかもしれません。 つまり紅白を見ている時の「トイレに行く行動」は弱化されたわけです(罰)。

行動を弱化する(減らす)「何か悪い事」を嫌子といいます。嫌子は他人からぶ たれたり、小言を言われたりすることかもしれないし、ジョークを言った時に友達が ため息をつくといったような他人からのリアクションかもしれません。 つまり、嫌子とは、行動の直後に現れると、その行動を弱化するモノやコトすべて。 簡単に言えば、誰もが避けたがるモノやコトすべてということになります。

前回のコラムにもありましたが、人や動物の行動はその行動の直後の結果に影響を受 けます。
行動の後にいいこと(好子)が起これば、その行動は繰り返され(強化)、
行動の後にイヤな事(嫌子)が起これば、その行動はあまり起こらなくなってきます (弱化:罰)
ですからトレーニングの「コツ」はいい行動の後に、 その動物にとって何か喜びそうな物(好子)をあげる、ということができます。 どうですか、簡単でしょう? 「そんなことは知ってるよ」という皆さん。でもこれがとても大事なことなんです よ。

ではある行動(問題行動)を減らしたければどうしましょう?やっぱりその行動の直 後にイヤな事(嫌子)があれば動物だって学習します。その行動はきっと減ります・ ・・が! ちょっと待ってください。僕は動物を罰する事で教えていく事は決してお勧めしませ ん。 それに皆さんの中で喜んで動物を叩いたり、叱ったりしている人は一人もいないと思 いま す。実は動物を叱ったり、たたいたりしなくても問題行動を修正する方法はいくらで もあるのです。 次回はそのことを中心に−罰の副作用−についてお話したいと思います。

皆様、今年もどうぞ宜しくお願いします!

トレーニングに関してご質問がある方はこちらまで(masaru@dolphinspacific.com)お便り下さい。(藤井 勝)





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